第73話 北山たけしさん
それぞれのレコード会社には伝統があります。
北山たけしさんが所属するテイチクレコードは、言わずと知れた石原裕次郎さんの在籍したレコード会社です。
カラオケブームの先駆けとなった頃には、石原裕次郎さんの歌のバックの独特な演奏をテイチクサウンドと呼んだものです。
適度なエコーサウンドが心地良いものでした。
もちろん裕次郎さん独特のムード歌謡です。
さてその伝統を守り抜こうと北山たけしさんが裕次郎さんばりのムード歌謡をリリースしています。
タイトルも裕次郎さんを彷彿とさせる「霧笛の酒場」です。
霧と言えば「夜霧よ今夜も有り難う」がありましたよね。
この楽曲のイントロが日活映画全盛時代を思い出させてくれるのです。
北山たけしさんのムーディーな歌いかたも抜群です。
今年、私がまず覚えて愛唱したい1曲です。
私のような人が多いのか、この「霧笛の酒場」は好調ですよ。
2017年2月
松原敬生 経歴
元東海ラジオ放送のアナウンサー。
東海ラジオ名物アナウンサーとして36年間数々の番組を担当。
2004年にフリーアナウンサーとして独立し、以後数多くの歌謡番組で活躍。
また歌手として「哀愁のトラッカー」をはじめ最新曲「哀愁グラス」までを数多くの作品をリリース。
その他:石原裕次郎に心酔し「東海の裕次郎」と自称していた。
千客万来(せんきゃくばんらい)
多くの客が入れ替わりひっきりなしに来て絶え間がないこと。
「千」「万」は数の多いことを示す。
店などが繁盛していたり来客が頻繁にあったりするときに用いる。
「客」は「かく」とも読む。