第4話 坂本冬美さん
我が娘のような、坂本冬美さんにとって今年は節目が2つ重なる年になりました。
その1つは、師匠の双葉百合子さんの引退です。そして、冬美さん自身はデビュー25周年の年です。
彼女いわく「二葉先生には舞台に対する姿勢を教わりました」。
具体的には、どんな舞台でも、あなどってはいけない。
1曲でも十数曲でも同じように、発声練習をして臨まなくてはいけないと教わったそうです。
先日のコンサートの楽屋じゃらも、本番前に入念な発声練習の声が聞こえていました。
その二葉さんの最後の曲が「百年桜」」なら、冬美さんの25周年記念曲が「桜の如く」
この偶然も2人の絆の深さでしょうか。
5月17日発売の新曲は、厚い夏を乗り越え、寒い冬を堪えて毎年見事に花を咲かせる桜のように、凛として生きていきたいと、自分自身に活をいれるかのような作品です。
この楽曲の中にも、二葉さんから教わった前をむいて歩く精神が息づいているのです。
「また君に恋してる」「ずっとあなたが好きでした」と歌謡曲のジャンルが続きましたが、3年ぶりの演歌の「桜の如く」は日本中の人達が、もう一度元気を取り戻そうと立ち上がるにはもってこいです。
最後のキメのポーズも見所の1つとなっていますから注目です。
2011年5月
松原敬生 経歴
元東海ラジオ放送のアナウンサー。
東海ラジオ名物アナウンサーとして36年間数々の番組を担当。
2004年にフリーアナウンサーとして独立し、以後数多くの歌謡番組で活躍。
また歌手として「哀愁のトラッカー」をはじめ最新曲「哀愁グラス」までを数多くの作品をリリース。
その他:石原裕次郎に心酔し「東海の裕次郎」と自称していた。