馬飼野俊一

大衆音楽の殿堂入り(作曲・編曲)

レコードジャケット裏面:一番右が馬飼野俊一氏

レコードジャケット裏面:一番右が馬飼野俊一氏


2025年4月30日放送のラジオ番組「半田健人のオールナイトニッポンGOLD~昭和の歌よ、ありがとう~」で、半田健人氏が馬飼野俊一氏を紹介。

今ほど海外録音が盛んではなかった1973年(昭和48年)に野口五郎が初の海外レコーディングをロンドンのアイランド・スタジオで馬飼野俊一氏と一緒に収録した。

収録した楽曲は、野口五郎9枚目のシングル「君が美しすぎて」で、馬飼野俊一氏が作曲・編曲。

当時、馬飼野俊一氏は27歳で、独創的なアイデアを創出する力に満ちあふれていた。

半田健人氏は、野口五郎の大ファンで、馬飼野俊一氏から編曲の指導を受けていた。

そんな彼は、馬飼野俊一氏の編曲家としての力量に驚きを隠せない。
「『君が美しすぎて』は、ヨーロッパの音が封じ込められたロックの要素を感じる滅茶苦茶に格好いい3連楽曲で、ブラスの強さ、リズム隊のアグレッシブさがしっかりでている。半音転調でいったん溜めて、次に一気に爆発させるところなんかは鳥肌が立つ。ドラムのフィルでリスナーは狂喜乱舞ですよ。」と語っている。

以下はとても面白いのでそのまま紹介。
当時、こんなに格好いい曲を作った作曲家・編曲家の馬飼野俊一さんは一体どんな方なのかと想像したものですよ。それで、レコードのジャケットの裏面をひっくり返したら、白黒写真で3人の人物が写ってるんです。一番左は、若き日の野口五郎さん。もう1人はピアニストで外人さん、その横にロングヘアで色眼鏡をかけて派手な柄シャツを着た、さながらミュージシャンのような 人が1人、 カメラ目線で決めてるんですよ。
まさかこの人が馬飼野俊一さんじゃないだろうな? 作曲家・編曲家がこんなふうにジャケットに出るかな?と思って、長年謎だったんですけど、 その人が馬飼野俊一先生でした。 今も柄シャツをよくお召しになってます。

馬飼野俊一氏が「私が27歳の時にいったん2コーラス終わったようにしておいて、ベースのグリスダウンを入れて半音転調して歌わせるといった発想をよく考えついたなと自分ながら思う。」と私にお話ししてくれたのが感慨深い。

昨年、古賀政男音楽博物館の大衆音楽の殿堂で作曲家・編曲家部門で殿堂入りして、78歳になられた今でもアグレッシブに創作活動を続けられている。

投稿:2025年5月10日
シンガープロ 安藤秀樹


左から馬飼野俊一、野口五郎

ロンドンのアイランド・スタジオで


君が美しすぎて 野口五郎(ロンドン録音盤)


君が美しすぎて レコードのジャケット表面


昭和48年(1973年)5月10日、ロンドンのアイランド・スタジオでレコーディングが行われた。

同年末の『NHK紅白歌合戦』に野口五郎は2度目の出場を果たし、「君が美しすぎて」を歌唱。

【レコード収録曲 】
君が美しすぎて
作詞:千家和也
作曲・編曲:馬飼野俊一
JASRAC作品コード: 024-4989-7

ぬれた瞳
作詞:千家和也
作曲・編曲:馬飼野俊一
JASRAC作品コード:064-0096-5


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左から馬飼野俊一氏、半田健人氏

左から馬飼野俊一氏、半田健人氏


たずねる 半田健人の歌謡曲対談集



著書:半田健人(はんだ・けんと)
単行本:276ページ
定 価:2,200円(税込み)
出版社 : 本の雑誌社
発売日:2025年4月23日

歌謡曲ファンにはたまらない単行本なので、興味のある方はぜひお買い求め下さい。

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【内容】
昭和の暮らしの真ん中には歌謡曲があった。
俳優であり歌謡曲研究家でもある半田健人氏が、高度成長期の日本を元気づけた昭和歌謡界の立役者たちに、ニッチな質問を次々と投げかけ、貴重な証言をあつめた異色対談集。

その時折の流行り歌を聴けば〝時代に漂っていた空気感〞みたいなものを擬似体験できるのではと考えたんです。そしたら歌謡曲にどっぷりハマってしまって。......60、70年代の歌謡曲のもう何もかもが自分にとって理想的な音楽でした。すると必然的に「誰が作っていたんだ?」となりますよね。そうやって作家マニアになっていきました。(半田健人)

〈対談者〉
○ 林哲司(作曲家)
○ 山上路夫(作詞家)
○ 馬飼野俊一(作曲家・編曲家)
○ 前田欣一郎(レコーディングエンジニア)
○ 植田芳暁(ザ・ワイルド・ワンズ ボーカル&ドラマー)
○ 本城和治(音楽ディレクター)
○ 田中清司(ドラマー)
○ 伊東ゆかり(歌手)

【著者略歴】
半田健人(はんだ・けんと)

1984年6月4日、兵庫県芦屋市生まれ。俳優・歌手・音楽研究家。「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」のファイナリストに選ばれたことをきっかけに芸能界入り。2003 年「仮面ライダー 555(ファイズ)」乾巧(いぬい・たくみ)/ 仮面ライダーファイズ役で初主演を飾る。

また 2014 年、自身初のオリジナル・フル・アルバム「せんちめんたる」を CD&LP 同時発売。2016年にはビクターエンタテインメントからメジャー・デビュー・シングル「十年ロマンス」をリリースするなど、俳優のみならず音楽のフィールドでも精力的に活動を行っている。レギュラーラジオ番組「林哲司・半田健人昭和音楽堂」(SBS)は十数年にわたる長寿番組。「タモリ倶楽部」への出演を機に、高層ビル好きであることが知られるようになるが、鉄道や歌謡曲のジャンルへの造詣も深く、ビザールギター収集家としても知られる。

投稿:2025年5月10日


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