YouTubeライブ、知里の"イチ”おっぺし!新曲『泣き笑い』発売記念スペシャルを観て 令和7年8月
知里、デビュー15周年記念曲のお知らせ
2025年8月20日、歌手・知里は浴衣姿で、茨城県・楽園堂より生配信を行った。今回は楽園堂のスタジオが改装中のため、ピアノ演奏と弾き語りは行わず、トークを中心に配信された。
今年、知里はデビュー15周年を迎え、9月24日に新曲「泣き笑い / 最後の願い」を日本クラウンより発売する。生配信中には、新曲の2曲をそれぞれ1コーラスずつ披露し、視聴者を魅了した。
A面の「泣き笑い」は、作詞:荒木とよひさ氏、作曲:弦哲也氏、編曲:照屋宗夫氏による哀愁漂う語り歌である。
照屋氏は歌謡曲や演歌ではなく、どちらかといえばクラシックに近い分野で活躍する編曲家であるが、今回は知里のために演歌調の「泣き笑い」を編曲し、知里の新たな魅力を引き出している。
照屋氏はまた知里のオリジナル曲「東京恋歌」、「追いかけて」、「哀しみのラストタンゴ」、「シークレットラブ」も編曲している。
当初のタイトル案は、「結局 薬局 放送局」というユニークなものだったが、最終的には「泣き笑い」に決定された。
「泣き笑い」は、温かみのある演歌調の楽曲で、着物を着て歌っても似合いそうだが、CDのジャケット写真は洋風である。
興味深いことに、岡千秋氏は「知里は駆け抜けるような勢いと、元気の良さが売りだ!」と「花艶歌」、「あなたの女です」、「華ロック」を作曲した。いずれもパンチ力があり、ノリノリで激しい楽曲であったが、今回は弦哲也氏が穏やかで優しい曲調に仕上げている。今までとは全く趣向の異なる新しい楽曲に仕上がったことに知里はとても新鮮に感じたようである。
「泣き笑い」のミュージックビデオはまだ公開されていないが、2コーラス目に知里が饅頭を手で割って食べているシーンが収録されているとのことなので、楽しみである。
知里がこれまでの歌手活動を通して感じたことなのか、配信中の語りには知里の切実な思いが感じられた。
15年、20年、25年、30年と歌手生活を送っていれば、きっと時間は経つんだと思いますが、ヒット曲に恵まれ、順調に活動できればそれは素晴らしいことですが、そうでない場合は、活動を続けることは大変だと思います。でも、何かのきっかけで出会いを頂きながら、一歩一歩、たとえ一歩の幅が小さくとも、日々の積み重ねによって、また新たな目標に向かって進んでいけると信じています。
15周年という節目を迎え、これまで活動を継続できたことに奇跡を感じながら、「泣き笑い」の楽曲を契機に多くの皆様に温かい気持ちを抱いていただける1年になるようにしていきたい。(知里)
カップリング曲の「最後の願い」は、作詞が伊藤美和氏で、作曲はなんと知里(作曲家ペンネーム:麻生知里)。メジャー系のバラードで、愛する人の元を去る決意をしたものの、それでも自分を忘れないで欲しいという心情を描写している。知里のデビュー当時の歌声を彷彿とさせる、心に響く楽曲となっている。
知里は、当初、演歌を歌うことに抵抗を感じていたと思うが、「花艶歌」をきっかけに、演歌にも抵抗なく歌えるようになったと思う。
15周年記念曲は、知里の新しい側面を引き出す楽曲になっており、さらなる飛躍を期待したい。
投稿:2025年8月23日
シンガープロ 安藤秀樹
