大衆音楽の殿堂入り記念曲「風桜」を聴いて 2025年2月
2月26日発売の馬飼野俊一“大衆音楽の殿堂入り記念曲”「風桜」のCDを購入して早速聴いてみた。
この楽曲は、馬飼野氏の思いが込められた意欲作品であると感じた。
作詞を馬飼野氏主宰の「蕎麦の会」の会員である作詞家に依頼したこと、馬飼野氏自らが作曲まで手がけていることなどから馬飼野氏がこの作品に絶大な力を込めた作品であることは間違いない。
イントロは弾みのある打楽器の音から全く別物の雅やかな音色に変化。変化のつなぎ目にはボーンという効果音まで入っている。さらに音色は心はやる音色へと変化していく。そしてそれら一連の流れの中には心が躍るダダダという打楽器の音がしっかり入っている。
まるで生き物のように変幻自在に変化する音色のあとに佐藤朱実の華麗な歌声が響く。
技巧の凝らされた様々に変化する音色に混じって、佐藤朱実の透明でリズム感のある歌声が力強く流れていく。
歌詞の「夢も地獄も心地良し」の箇所は聴いていて心地良く、「今日も人生」のあとのバババン!に心が弾ける。そして「悔いなし」と伸びていく歌声に胸がすく思いになる。
エンディングは、これで終わりかと思いきやさらに続いてバババン!意味深な音色、バババン!、バババン!、ボ~ンで終わる。映画のラストシーンのようなスケールの大きさを感じると共に感動の余韻を呼び起こすイメージである。
エンディング1つとってみても大衆音楽の殿堂入り記念曲となる楽曲にしたいという馬飼野氏の強い思いが伝わってくる。
「風桜」のテーマは「桜」で、桜の花びらが風にまかせて散る様子を人生に例えている。
全体的にインパクトの強いパンチの効いた歌になっている。
一方カップリングの「あなたのせいにさせて」は、優しく清らかな曲調の恋心の歌で、心が癒やされる。佐藤朱実の歌声が清らかなので、ひとしおそう感じてしまうところがあるのかも知れない。静かな気持ちになりたいときに聴くと良いように思う。
なお、月刊「歌の手帖2025年4月号」の58ページに編曲家 馬飼野俊一氏と歌手 佐藤朱実が紹介されているので、ぜひ購入してご覧下さい。
佐藤朱実は、馬飼野俊一氏のレッスンを受けた初めての門下生で、2022年にウクライナのチャリティー「ひまわりは再び(編曲:馬飼野俊一)」でメジャーデビュー。
今回の記念曲は2枚目のシングルとなる。
馬飼野俊一氏の師匠である斉藤恒夫氏は、1990年に亡くなられたが、2009年に大衆音楽の殿堂入り。五木ひろしの「長良川艶歌」、北島三郎の「北の漁場」、山本譲二の「みちのくひとり旅」などの編曲を多数手がけている。
馬飼野俊一氏は、2024年に大衆音楽の殿堂入りを果たした。
馬飼野俊一殿堂入り記念曲「風桜」が大きく羽ばたき大ヒットすることを願いたい。
投稿:2025年2月27日