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『2026日韓歌王戦』を第6回まで一通り視聴し、深い感動を覚えるとともに、時代の大きな変化をまざまざと見せつけられた。ステージの上で韓国と日本の出演者たちが互いに深い敬意を払い、心から音楽を楽しんでいる光景は、私にとって大きな驚きだった。

私が学生だった頃、韓国は「近くて遠い国」だった。政治的な冷え込みや強い反日感情の影響もあり、韓国の歌が日本へ入ってくることはなく、ましてや韓国では、公の場で日本の歌を歌うことなど、絶対に許されなかったはずだ。

両国を隔てていた壁が、今、劇的に崩れようとしている。この変化は、両国にとって本当に素敵なことだと思う。


ついに訪れた、日本語の歌が自由に歌える日


2025年1月、NHKの『クローズアップ現代』で「昭和歌謡が日韓つなぐ」という特集を観た。韓国のテレビで日本語の歌番組が初めて放送されたのは2024年のことだという。現地の韓国人がその放送を観て「日本語で歌っていいの?」と本当に驚いている様子を目にしたとき、私は何とも言えない深い感動を覚えた。長年タブー視されてきたからこそ、現地の人々が「韓国もついに変わるんだ!」と生き生きとした表情で語る姿から、これは歴史を揺るがすほどのすごい出来事なのだという重みが深く伝わってきた。

また、長年日本でも愛され、今なお第一線で活躍し続けている歌手のキム・ヨンジャさんが、「日本語で歌える日がやっと来た」と涙を流しながら語る姿には、様々な想いがこみ上げている様子が深く伝わってきて、強く印象に残っている。

韓国の音楽番組に初出演した近藤真彦さんが残した「もっと仲良くなればいいのに」という言葉も、今の日韓関係にとって一番大切なことをシンプルに伝えてくれている気がする。


政治の波に流されることのない、確かな「人と人との心の結びつき」


かつて、日本に対して友好的な尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が大統領になったことで、日韓関係は大きく前進した。しかし、その後に李在明(イ・ジェミョン)氏が大統領に就任したとき、「また昔のような激しい反日感情が高まってしまうのではないか」と私は本当に心配していた。だが、それはまったくの杞憂だった。

政治のトップが変わっても、国民の間の温かい空気は揺らがなかった。これこそが、まさに『日韓歌王戦』のような番組がもたらした、日韓の深い友好の影響ではないだろうか。日本の音楽を温かく迎え入れ、熱心にステージを作り上げてくれた韓国の音楽界には、本当に頭が下がる思いだ。こうした文化交流こそが、日韓のギクシャクした感情を優しく解きほぐし、お互いの心をそっと近づける大切な役割を見事に果たしているのだと感じる。


音楽の純粋な力が生んだ温かい心の交流


なぜ、これほどまでに両国の心が近づいたのか。

○ 政治の枠を超えた「音楽の純粋な力」
利害関係が絡む政治とは違い、ステージでの「圧倒的な表現力」はダイレクトに心に響く。韓国の視聴者も、日本の東亜樹さんや、「ゲンエキカオウ〜歌姫〜」の優勝者であるBON.井上さんたちのひたむきな姿勢に、純粋に敬意を払い惜しみない拍手を送っている。実力を認め合う清々しさが、とても気持ちがよい。

○ 「昭和の名曲」に宿る不思議な懐かしさ
番組で歌われる日本の昭和歌謡や演歌は、韓国の伝統的な歌謡(トロット)とメロディや雰囲気がどこか似ており、かつては正式に輸入されていなくても、実は密かに親しまれていたという背景もある。日本の名曲が持つ切なさや哀愁は、韓国の人が大切にする気持ちと同じように感じる。だから「初めて聴くのに、どこか懐かしくて胸に染みる」という温かい気持ちが湧き起こり、日本の歌がすんなりと受け入れられたのだと思う。

○ 若い世代の先入観のない素直な目線
現在の韓国の若い世代は、歴史は歴史として学びつつも、「良いものは良い」とありのままに楽しんでいる。日本のオシャレなポップスや懐かしい曲が若い人たちの間で流行し、その熱気が韓国の全世代へと広がっているようだ。

こうした「日本の文化を素直に楽しむ空気」が韓国の人の心にあるからこそ、たとえ政治のリーダーが変わったとしても、昔のような激しい対立に戻る心配はなくなっているのではないだろうか。


終わりに:両国の間に生まれた温かい交流を、ずっと大切に


単なる勝ち負けの対抗戦ではなく、互いのルーツにある音楽を尊敬し合う『日韓歌王戦』の試みは、韓国国内でも高い視聴率を記録し、大きな話題となったようだ。
政治が日韓の関係改善の「きっかけ」を作ったのだとすれば、この番組は、音楽を通して、音楽の力で、両国の心にこれからもずっと、温かい光を灯し続けてくれるのだと思う。

NHK『クローズアップ現代』「昭和歌謡が日韓つなぐ」を観て

投稿:2026年6月20日
シンガープロ 安藤秀樹









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