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「2026日韓歌王戦」第2次戦を視聴して


2026年5月10日にBSフジで放送された「2026日韓歌王戦」の第2次戦をTVerで視聴した。

1つの曲を日韓のアーティストが2人で交互に歌い、競い合う。どの熱唱もあまりにハイレベルだった。コメンテーターのキム・スチャンが「対決じゃない。コンサートみたいだった」と語った通り、それはまるで極上のライブショーを観客に、そして視聴者に届けてくれているかのようだった。
正直なところ、私は点数をつけられないと思う。それでも勝敗を決めなければならないという点に、この番組の過酷さと、真剣勝負の重みを感じる。

今回の披露曲の多くは韓国アーティストの楽曲だったが、日本チームが流暢な韓国語で歌唱し、真っ向から対抗している姿には目を見張るものがあった。

特に興味深かったのは、選曲の妙だ。アメリカの名曲であるグロリア・ゲイナーの『I Will Survive』を、日本側は布施明の『恋のサバイバル』、韓国側はチンジュの『私は大丈夫』という、それぞれの国で愛されてきた翻訳カバー曲を用いて、同じ原曲を自国語で歌い合うシーンがあった。この番組は、選曲の段階から実によく練られていると感心した。

また、番組の途中で挟まれた助っ人対決も見応えがあった。
日本の歌心りえと韓国のリンによるソロ対決について、南野陽子氏が寄せた感想には大いに感銘を受けた。南野氏は、これまで日韓のステージで歌声を届け、架け橋となってきた彼女たちの歩みを称えるように、「歌心りえさんの歌声はそよ風のようで、このおかげで韓国の人に日本の歌の良さを知ってもらえた。歌心りえさんがこの番組に出て本当に良かったと思います。そして、私はリンさんの大ファンなのですが、彼女の歌声は、韓国語が分からない私にも『辛いんだろうな、支えてあげたいな』という気持ちにさせてくれる」と述べたが、まさにその通りの素晴らしいコメントだった。

そして、何よりも心を揺さぶられたのは、正反対の魅力を持つ東亜樹(日本)とチャ・ジヨン(韓国)によるソロ曲での激突だ。
上品なドレスをまとい、直立不動に近い姿勢で歌の主人公の感情を奥ゆかしく丁寧に紡ぐ東亜樹。聴衆がそっと守りたくなるような、じっくりと聴き入りたくなる歌声だ。一方のチャ・ジヨンは、圧倒的なオーラと鋭くも情熱的な眼差し、そして指先まで使った演劇的なパフォーマンスが特徴で、ステージに立った瞬間に誰もが圧倒されてしまう。
そんな2人の対決は、技術の優劣ではなく、どちらの芸術性がより自分の魂に響いたかという、究極の好みの選択を迫られるものだった。

先攻のチャ・ジヨンは、ステージを完全に支配する圧倒的なオーラと、神々しく魂が吸い込まれるようなミュージカル演出で会場を涙に包み込んだ。その凄まじい歌唱を舞台袖で聴いていた東亜樹は、天井を見上げて涙をこらえているようだった。「この歌唱にどうして立ち向かえばいいのか」という圧倒的なプレッシャーが、画面越しにも痛いほど伝わってくる。

歌う直前、東亜樹の口から思わず「どうしたらいいですか」と言葉が漏れた。とても戦える心理状態ではなかったはずだ。

しかしその瞬間、会場から「ファイト、亜樹がんばって!」と声援が飛び、キム・スチャンが「自分らしく歌えばいい」、カンナムが「自分のペースに引き込むんだ」と優しく背中を押した。

意を決した東亜樹が歌い始めたヤン・ジウンの『その川を渡らないで』は、実に彼女らしい、純粋で芯のある歌い出しだった。プレッシャーに呑まれることなく、「自分らしく歌う」ことに集中しているのが伝わってきた。

バックダンサーなどの演出は一切なく、たった1人で真心だけを込めて歌い上げた彼女は、最後に「ありがとうございました」と一礼した瞬間、感極まって涙を流した。その涙顔に、会場の国民判定団も深く心を揺さぶられ、涙を流しながら静かに拍手を送っていた。

歌い終わっても涙が止まらない亜樹。実は、彼女の父親が最近亡くなったばかりなのだという。カンナムとキム・スチャンの「いつも一緒だったのに」「心が痛む」という会話が切なく響く。この歌に、亡き父への想いを重ねていたのだろう。その姿を察したチャ・ジヨンが、そっと寄り添って彼女をギュッと抱きしめたシーンは、国境を越えた温かい人間愛に満ちていた。

審査員のソル・ウンド氏が「東亜樹さんは心がとても綺麗で優しい方。勝負へのこだわりよりも、自身のステージに集中して涙を流された。心が綺麗だからこそ、美しい表現ができる。今後はその涙の分だけ羽ばたかれると思う」と最大級の賛辞を贈り、これには審査員席のMasaya氏も立ち上がって惜しみない拍手を送っていた。

緊迫した勝負の裏で、じっくりと、そして優しく歌手たちを見守る審査員やコメンテーターたちの温かい眼差しが非常に印象的だった。日韓の素晴らしい歌い手たちが名誉を懸けて激突するこの番組において、こうしたリスペクトに満ちた心の交流こそが、何よりも大きな重みと感動を伴って胸に迫るものがあった。

投稿:2026年6月2日
シンガープロ 安藤秀樹








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