チョン・ユジン『ガヨガヨ』|2026年日韓歌王フェスティバル視聴記
新たな魅力を放つ、ほやほやの新曲「ガヨガヨ」
続いて披露されたのは、チョン・ユジンのほやほやの新曲「ガヨガヨ」だ。2026年3月にリリースされたこの曲は、非常に明るく軽快なアップテンポのセミトロット(韓国の現代風演歌・ポップス)である。
それまでの彼女の代名詞でもあった、胸を締め付けるような切ないバラードや重厚な正統派トロットとは一線を画す、彼女の新たな魅力がぎゅっと詰まった1曲となっている。
描かれているのは、心の中にずっと秘めてきた「片思いの感情」だ。好きな人を前にしたときのときめきや、どこか生真面目で素直になれない名残惜しさが交差する、少女のようなみずみずしい感性が表現されている。
華やかなステージと圧倒的な歌唱力
一度聴いただけでパッと耳に残る親しみやすいメロディと、思わず体が動いてしまうような軽快なリズムが特徴のこの楽曲。片思いの切なさを軽快に描いたステージでは、4人の女性バックダンサーを従え、ハツラツとした可愛らしいダンスを一緒に楽しむことができる。
これだけ明るくて、激しいダンスを交えながらのステージであっても、チョン・ユジンならではの圧倒的な声量の安定感と、芯のある美しい歌声は健在だ。
2026年の日韓歌王フェスティバルのステージでも、彼女は淡いピンクの衣装に身を包んでこの曲を披露。それまでの圧倒的な「歌王」としての重厚なイメージからガラリと雰囲気を変え、会場をパッと華やかで明るいワクワク感で包み込んだ。聴いているだけで元気がもらえる、とてもポップで愛らしい名曲である。
観客を魅了する、巧みなマイクワークと美しいフィニッシュ
実際のパフォーマンスに目を向けると、その繊細な表現力に圧倒される。前半、彼女は左手にマイクを握り、右手で多彩な表現を繰り出していく。胸に拳を当てたかと思えば、左腕の前で蝶のようにひらひらと手を舞わせ、さらには前方に差し出した右手をしなやかに天へと突き上げる。そんな巧みな手振りを交えながら、感情豊かに歌い上げていく。
曲が進み、「いやなのよ あなたが笑うと」のフレーズではマイクを右手に持ち替え、今度は左手を巧みに動かして切ない感情を表現。続く「歌がまるで私のことみたい」では再びマイクを左手へ。さらに「風のような私の恋よ」の場面で三度マイクを右手に持ち替えるなど、歌詞の展開に合わせてめまぐるしくマイクを持つ手を変えていく。
そして曲の最後、彼女は愛らしい笑顔を浮かべながらすっと右手を掲げ、そこから静かに手を下ろして美しいフィニッシュを決めた。その瞬間、会場からは割れんばかりの大歓声がこだました。
投稿:2026年7月19日(日)
シンガープロ 安藤秀樹
