心に染み込む歌声、魂を揺さぶる歌声 東亜樹とキム・テヨンが魅せた名勝負
「2026日韓歌王戦」第3次戦を視聴して
2026年5月17日にBSフジで放送された『2026 日韓歌王戦』の第4回(第3次戦)をTVerで視聴した。
第3次戦は「1対1現場指名戦」で、司会者が引いた紙に書かれた出演者が、自ら対戦相手を指名するという形式だ。対戦形式にさまざまなアイデアが練られていて驚かされる。
一通り対戦を視聴して、対抗戦でありながらも互いをリスペクトし合っているため、一つの極上のショーとして楽しませてくれる趣が強いと感じた。
東亜樹 vs キム・テヨンの対決では、東亜樹はイ・スンチョルの「そんな人もういません」を、キム・テヨンはテ・ジナの「あなたの涙」を歌った。
どちらが上かという優劣ではなく、個人の好みや「その曲に何を求めるか」によって評価が分かれるのではないだろうか。
東亜樹は、美空ひばりや日本の演歌・歌謡曲の伝統を受け継ぐ歌声で、どこまでも澄んだ響きがある。聴き手を圧倒するのではなく、心にスッと染み込んでいき、終わった後に深い余韻を残してくれる。
一方のキム・テヨンは、なぜ原曲者よりはるかに若い14歳の少女が、これほど大人びた歌を情感込めて歌い上げられるのか不思議でならなかった。圧倒的な声量と、胸が締め付けられるようなドラマチックな感動を味わいたい時は、キム・テヨンの方が胸に刺さるかもしれない。
この若き2人が同じステージに立ち、東亜樹が韓国のバラードに最大限の敬意を込めて歌い、キム・テヨンがそれを受け止めるように歌い合っている、その姿自体が観ていて一番胸が熱くなるところであり、どちらも一歩も譲らない最高の歌唱で、選ぶのが本当に難しいと感じる。
TAE LEE vs チャ・ジヨン、BON.井上 vs ソルジの対決では、パワーのある歌唱と激しいダンスのぶつかり合いは見応え十分だった。また、ホンジュン vs Natalia Dの対戦でホンジュンが披露した、韓国民謡と現代トロットを融合した非常に斬新で個性的な楽曲は印象的だった。神輿に乗って登場する圧巻のド派手な演出には、日本のお祭り文化と韓国の文化の共通性を感じさせた。観覧者と一体となった盛り上がりは最高で、画面越しにもその熱気が伝わり、大興奮のステージだった。
ク・スギョン vs 下北姫菜では、ク・スギョンが「姫菜、出てこい!」と指名した時の凛とした表情が爽快だった。
ク・スギョンは地響きがするような声量と、聴き手の魂を揺さぶる圧倒的な歌唱力を見せつけた。それに対してどう対抗すればよいのか、下北姫菜が勝負曲として選んだのは、なんと安室奈美恵の「Hero」だった。私はそれこそク・スギョンの圧倒的な声量に対抗できる楽曲だと確信した。
この番組は、対抗する楽曲の選曲までしっかり練り込まれているのがよくわかる。
まだ永井愛実、荒川夏蓮、イ・スヨン、カン・ヘヨンらの対戦は見ていない。
きっと5月31日放送の第5回で見られるだろう。
投稿:2026年6月8日
シンガープロ 安藤秀樹
