2026日韓歌王戦 第6回 視聴レポート
エキシビション・ガラショー、競争を超えた絆の物語
2026年6月7日にBSフジで放送された『2026 日韓歌王戦』の第6回をTVerで視聴した。
「2026日韓歌王戦 第6回」は、熾烈な競争を勝ち抜いた日韓のトップアーティストたちが、音楽を通じて国境を越えた深い絆を結ぶ、感動のフェスティバルとなった。フィギュアスケートで例えるなら、まさに極上の「エキシビション・ガラショー」だ。
舞台裏で芽生えた日韓の友情と世代間交流
番組は、日本TOP7が和やかな雰囲気で韓国の空港に到着するシーンから始まった。荒川夏蓮が「楽しみたい」と笑顔で語る一方、韓国TOP7(イ・スヨン、カンナム、ク・スギョン、キム・テヨン、ソルジ、チャ・ジヨン、ホンジュン)も緊張と自信を胸に初収録へ挑んでいた。
初対面では、お互いに様子をうかがい合うような、ちょっとした緊張感もあったが、楽屋へ入ると雰囲気は一変し、言葉の壁を越えた温かい交流が始まった。韓国の末っ子・イ・スヨンが日本の永井愛実らに積極的に挨拶し、日本の若者言葉「あざす」を通じてお互いの距離を縮めるなど、微笑ましい一幕があった。東亜樹も「新しい妹ができたみたいでかわいい」と目を細めていた。
日本チームの末っ子・荒川夏蓮は、大ファンであるJuniからアルバムをもらい、感激のあまり言葉を失った。恥ずかしがりながらも笑顔でハイタッチを交わし、幸せな気持ちで満たされていた。また、BON.井上がチャ・ジヨンにお土産を渡すと、彼女は「息子にあげます」と大感動。TAE LEEから大阪土産をもらったク・スギョンや、カン・ヘヨンがお返しに「ドバイもちクッキー」を手渡す場面もあり、楽屋は優しさに包まれていた。
荒川夏蓮とキム・テヨンが商店街でたい焼きを食べながら自撮りを楽しむ姿や、ソルジとNatalia Dがメキシコ料理「タコス」の話題で「日本に来たら手料理を振る舞う」と約束を交わす姿など、競争から始まった関係が、いつしか友情に変わっていく過程が丁寧に描かれていた。
熱狂のフィナーレ:全員で歌う国民的ヒット曲『無条件』
これまでの愛に感謝を込め、日韓トップ7の14人全員で披露されたのは、パク・サンチョルの名曲『無条件』。抜群に明るいダンス・トロットのリズムに乗り、ホンジュン、BON.井上、TAE LEE、イ・スヨンらが次々と歌い繋ぐ。メンバー全員が会場を貫く花道を堂々と前進し、大歓声の中でエネルギーいっぱいに歌い上げる姿は、まさに日韓が一つになった圧巻の瞬間だった。最後は力強い掛け声で締めくくられ、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。
その後、チャ・ジヨンから東亜樹への微笑ましい「延長戦」のおねだりがあったが、東亜樹は笑顔で「断ります!」と一蹴。そして本格的な「日韓歌王フェスティバル」の幕が上がった。
魂を揺さぶる至高のデュエット&ソロステージ
■ ソルジ:『大胆な女』(原曲:ソ・ジュギョン)
「どうせ優勝はソルジ」を意味するキャッチフレーズ「オウ・ソル」の挨拶で登場したソルジ。観客に「合いの手」を求め、花道を歩きながらのびのびとお祭りソングを歌唱。最後は大胆な投げキッスで会場を魅了した。
■ パク・ソジン:『ジナよ』(原曲:パク・ソジン / ナ・フナ作詞)
別れた恋人への未練を歌う正統派哀愁トロット。彼の持ち味である深みのある感情豊かな歌声が響き渡り、観客の涙を誘うこの日一番の見ごたえあるステージとなった。
■ チョン・ユジン × ホンジュン:『女性の涙』(原曲:チュ・ヒョンミ)
第1代歌王のチョン・ユジンと第3代歌王のホンジュンによる奇跡の共演。伝統的な哀愁を帯びたメロディを丁寧に歌い上げ、美しい高音のハーモニーで見事なフィニッシュを決めた。
■ 竹中雄大 × ソルジ:『あなたのキスを数えましょう』(原曲:小柳ゆき)
韓国でも愛されるJ-POPの名曲を、ソルジは日本語と韓国語を交えて、竹中雄大は独特の美しく澄んだ歌声と強弱のある伸びやかな高音で歌唱。2人が向き合って笑顔で歌い終えると、リンも「最高」と大絶賛した。
■ リン × 歌心りえ:『愛は命の花』(原曲:パティ・キム)
発売から42年経った今も愛される壮大な名曲。2人は目を閉じ、劇場型の圧倒的な歌声で会場を震わせる。歌唱後は感動の抱擁を交わし、会場からは盛大な声援が送られた。
■ チャ・ジヨン:『鯨狩り』(原曲:ソン・チャンシク)
査定戦100秒戦で披露した楽曲のフルバージョン。ステージ上に巨大な一筆書きで「鯨」を描き上げるダイナミックなパフォーマンスからスタート。筆を背後に払うとスクリーンに墨汁が飛び散る最新の映像技術や、白い衣装のダンサーたちによる一糸乱れぬ華やかなダンスは圧巻の一言。最後は太極旗が掲げられる中、天を仰ぐ圧倒的な高音の響きで神々しいフィニッシュを飾った。
■ BON.井上:『レイニーブルー』(原曲:徳永英明)
『ゲンエキカオウ~歌姫~』の優勝者が、クリアで伸びやかな歌声で日本のバラードの金字塔を披露。まるで徳永英明の女性版のような透明感で、美しい歌詞のメッセージをまっすぐに聴き手に届けた。
■ カン・ヘヨン:『ほうき星』(原曲:ユンナ)
スタンドマイクをギターに見立てたり、メガホンを使って音を歪ませたりする派手で可愛らしい演出を披露。「キラキラした若手スターのよう」と称賛され、ほうき星以上の輝きを放った。
■ Juni:『君を想いながら』(原曲:パク・ナムジョン)
4人のバックダンサーを従え、流暢な韓国語とキレのあるダンスを披露。スタイリッシュな佇まいで、会場の女性ファンを大熱狂させた。
■ クスギョン:『青葡萄の愛』(原曲:トミ)
1950年代の激動期に人々へ希望を与えたロマンス歌謡を、初夏の爽やかさそのままにロマンチックに歌唱。Natalia Dらもノリノリで踊り、会場は「ク・スギョン」コールに沸いた。この歌は、日本なら『りんごの唄』に相当するのではないだろうか。歴史に刻まれた復興のパワーを感じた。
■ クスギョン、TAE LEE、Natalia D、下北姫菜:『シーズン・イン・ザ・サン』(原曲:TUBE)
韓国でも絶大な人気を誇る夏の定番ソング。前半は韓国語、後半の「寄せては返す」からは日本語で歌い繋ぎ、4人の透き通るような歌声と笑顔が、夏ならではの胸が躍るようなワクワク感と、どこか切ない雰囲気を余すところなく表現していた。
■ チョン・スラ × ホンジュン:『ある日ふと』(原曲:チョン・スラ)
人生の哀愁と再生を描いた大人のバラード。生で聴ける喜びに観客が祈るように手を組んで聴き入る中、チョン・スラの生き物のように変化する魂の歌声とホンジュンの感性が響き合っていた。
■ チョン・ユジン:『ガヨガヨ』(原曲:チョン・ユジン)
2026年3月の最新曲。淡いピンクの衣装に身を包み、これまでの切なく、どこか重みのあるイメージを一新する、ポップで現代的な歌謡曲をハツラツと披露した。
■ Masaya:『My Destiny』(原曲:リン)
大ヒットドラマの主題歌。柔らかく繊細な歌い回しと、女性ボーカルと聴き間違うほどの透明感あるクリアな高音で、ドラマティックな運命の愛を映画のワンシーンのように美しく歌い上げた。
■ 竹中雄大(Novelbright):『透明』『Love Story』
自身が作詞作曲したアニメ主題歌『透明』では、力強い地声の高音から、透き通るような美しい裏声へと切り替わる歌声で会場を圧倒。さらに安室奈美恵の『Love Story』のカバーでは、男性目線の切なさと美しさへ世界観を鮮やかに塗り替え、地鳴りのような「雄大コール」を巻き起こした。
■ ホンジュン:『ソーラン節』『舟唄』(日韓民謡マッシュアップ)
はちまき姿のホンジュンが、日本の「ソーラン節」と韓国の「舟唄」を見事に掛け合わせたダイナミックな漁師の歌を熱唱。8人のダンサーが体全体で激しい白波を表現する中、日本語と韓国語をうまく歌い分け、観客も一体となって舟を漕ぐ仕草で会場は最高潮に盛り上がった。
■ 中島美嘉:『ORION』
全身全霊で歌の世界に入り込んで歌う彼女は、澄んだ冬の夜空を見つめるように一言一言に魂を込め、最後の消え入るような「I believe」の余韻で会場全体を息をのむほどの感動で包み込んだ。
■ KaWang(Shin、木本慎之介、Masaya、TAKUYA、Juni)
2026年2月にデビューした5人組。『夢前線』では、Shinの繊細な声から木本の感情豊かな表現、TAKUYA、Masaya、Juniへと美しくソロパートをつなぎ、全員の重厚な美しいハーモニーでサビの感情を爆発させた。
また、ツインメインボーカルのTAKUYAは、Aileeの『U&I』で圧倒的な声量とノリノリの力強いリズム感を炸裂。Shinはポール・キムの『全ての日、全ての瞬間』を直立不動でひたむきに歌い上げ、その飾らない、まっすぐな歌声で聴き手を魅了した。
■ 木本慎之介:『世界中の誰よりもきっと』(原曲:中山美穂&WANDS)
韓国でもリメイクされた名曲を、甘く優しい歌声で、韓国語を交えてソロ歌唱。日韓の架け橋となる、誰もが笑顔になるような幸せな雰囲気で会場を満たした。
終わりに 競争を超えた「仲間」という宝物
フェスティバルの終わり、日本チームは「みんな勝つし、ファイト!」と輪になり、韓国チームも「最後の勝負よ」と闘志を燃やした。始まりは熾烈な競争だったが、番組を通じて彼女らは互いを尊敬し合う本物の「仲間」となった。両チームが互いの健闘を称えて抱き合う姿は、国境を越えた音楽の力を教えてくれた。出演者たちにとって、そして視聴者にとっても、この番組は何物にも代えがたい最高の思い出になったと思う。
投稿:2026年6月20日
シンガープロ 安藤秀樹
